高層マンションとは?定義は何階から?メリット・デメリットを解説

「高層マンション」と「タワーマンション」。物件探しでよく目にする言葉ですが、実はその境界線や定義の違いを正確にご存じですか?

この記事では、建築基準法に基づく正確な高さの定義から、業界での一般的な区分け、そして高層階ならではのメリット・デメリットまでをプロが徹底解説します。イメージだけで選ぶと、「エレベーター待ちが辛い」「意外と揺れる」といった入居後の後悔につながりかねません。

本記事を読めば、曖昧だった定義がクリアになり、法的な安心感と住み心地の両面から、あなたに最適な階数や物件タイプを自信を持って選べるようになります。

目次

高層マンションとは何階から?法律上の定義とタワマンとの境界線

「高層マンション」という言葉に、実はたった一つの厳密な定義が存在するわけではありません。しかし、建築基準法や消防法といった法律の壁と、不動産業界の慣習によって、明確な「区切り」が存在します。

ここでは、なんとなく使われている言葉の裏側にある「高さの根拠」を解説します。

建築基準法における「高さ31m・60m」の壁とは

マンションを建設する際、設計や設備に大きな影響を与える高さの分岐点が2つあります。それが「31m」と「60m」です。

  • 高さ31m(概ね7〜10階建て相当)
    この高さを超えると、「非常用進入口」の設置が必要になったり、「非常用エレベーター」の設置義務(※高さ31mを超える部分の床面積による)が生じたりします。これは、消防のはしご車が届く限界の高さに関係しており、火災時の活動拠点を確保するためです。
  • 高さ60m(概ね20階建て相当)
    ここが一般的な「高層マンション」と「タワーマンション(超高層)」の大きな境界線です。高さ60mを超えると、建築基準法上で「超高層建築物」と扱われます。
    通常の建築確認だけでなく、国土交通大臣の認定が必要となり、構造計算の基準も格段に厳しくなります。地震に対する強度がよりシビアに求められるのがこのラインです。

消防法や不動産業界で扱われる一般的な「区分」

法律とは別に、不動産ポータルサイトや広告で目にする「区分」もあります。

一般的には、以下のような目安で分類されることが多いです。

  • 低層マンション
    • 1〜3階建て(第一種低層住居専用地域などに多い)
  • 中層マンション
    • 4〜5階建て
  • 高層マンション
    • 6階建て以上

「高層」という言葉自体は、6階建て程度から使われることが一般的です。環境性能表示制度などでも、一定の高さ以上を高層と呼ぶケースがありますが、消費者の感覚としては「エレベーターが必須となる高さ」が高層の入り口と言えるでしょう。

よく聞く「タワーマンション」と「高層マンション」の違い

実は「タワーマンション」という言葉に法的な定義はありません。あくまでマーケティング用語、通称です。

しかし、業界の慣習として「高さ60m以上、かつ20階建て以上の超高層マンション」をタワーマンションと呼ぶのが一般的です。

ここで重要なのが、「15階建ての高層マンション」と「20階建て以上のタワーマンション」の違いです。

【物件タイプ別比較表】

項目一般的な高層マンションタワーマンション(超高層)
階数目安10階〜19階20階以上
高さ目安31m〜59m60m以上
構造耐震構造が一般的制震・免震構造が多い
共用施設必要最低限(集会室等)充実(ジム・ラウンジ・ゲストルーム)
特徴コスパ重視・実用性ステータス・眺望・資産性

多くのエリアで見かける「14階〜15階建て」のマンションは、高さ45m制限などの地区計画に合わせて最大限建てられた「高層マンション」です。これらはタワマンほどの派手な共用施設はありませんが、管理費が抑えられる傾向にあり、実需層(実際に住む人)に根強い人気があります。

高層マンションに住むメリットとは?眺望や資産価値の優位性

高層階での暮らしには、戸建てや低層マンションでは味わえない独自のメリットがあります。「景色が良い」だけではない、機能面や資産価値の魅力を見ていきましょう。

開放感のある眺望・採光とプライバシーの確保

大きな魅力は、やはり「抜け感」です。

周囲の環境によっては、カーテンを開けて過ごせるほどの開放感が得られることもあります。都心部であっても空を広く感じられる開放感は、高層階ならではの特権です。

また、日照時間が長くなるため、冬場でも室内が暖かく、光熱費を抑えられる可能性があります。「朝起きて、カーテンを開けた瞬間の空の広さ」は、多くの居住者が挙げる満足ポイントです。

害虫(蚊・ハエ)の侵入リスクと騒音の軽減

現実的な生活のメリットとして大きいのが「虫」と「音」の問題からの解放です。

  • 虫問題
    • 一般的によく言われる目安として、蚊やハエなどの飛翔能力は地上3〜4階程度までと言われています。6階以上、特に10階を超えると、窓から虫が入ってくる確率は格段に下がります(※エレベーターに乗って上がってくる場合を除く)。
  • 騒音問題
    • 地上の車の走行音や歩行者の話し声は、上に行くほど減衰します。駅前の賑やかな立地であっても、高層階の室内は驚くほど静寂な空間が保たれていることが多いです。

共用施設の充実とコンシェルジュなどのソフトサービス

特に20階以上のタワーマンションや大規模な高層マンションでは、ホテルのようなサービスが享受できます。

  • 共用施設
    • 親族や友人を泊められる「ゲストルーム」、テレワークに便利な「スタディラウンジ」、雨の日でも運動できる「フィットネスジム」。
  • ソフトサービス
    • クリーニングの取次やタクシー手配を行うコンシェルジュサービス、24時間の有人管理など。

これらは、単なる住居を超えた「生活の豊かさ」を提供してくれます。

駅近・再開発エリアによる資産価値(リセールバリュー)の高さ

高層マンション、特にタワーマンションは、駅前の再開発エリアに建設されるケースが多くあります。

「駅直結」や「駅徒歩5分以内」という好立地は、不動産価値として非常に強固です。加えて、地域のランドマーク(目印)となる物件は指名買いが入りやすく、中古市場でも人気が維持されやすい傾向にあり、資産価値が保たれやすい傾向にある点も魅力の一つと言われています。

高層マンションのデメリットと後悔しないための注意点

光があれば影もあります。高層マンションには構造上避けられないデメリットが存在します。購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、ネガティブな要素もしっかり把握しておきましょう。

エレベーターの待ち時間と「朝のラッシュ」問題

高層階の住人がストレスを感じやすいのがエレベーターです。

特に朝の通勤・通学時間帯は、各階に停止しながら降りてくるため、1階に着くまでに時間がかかります。「忘れ物をした時に取りに戻るのが絶望的」という声もよく聞かれます。

また、点検や故障時には階段を使わざるを得ないリスクもあります。30階まで階段で上がるのは現実的ではありません。

地震時の揺れやすさと「長周期地震動」への不安

高層マンションは地震の際、ポキッと折れないように「あえて揺れて力を逃がす」構造になっていることが一般的です。そのため、地上よりも揺れ幅が大きく、揺れている時間も長くなる傾向があります。

特に「長周期地震動」と呼ばれる、ゆっくりとした大きな揺れが発生すると、船酔いのような状態になることがあります。家具の固定などの転倒防止対策は、低層階以上に必須です。

洗濯物・布団干しの制限と強風・気圧の影響

高層階では、常に強い風が吹いています。そのため、「ベランダでの洗濯物・布団干し禁止」という管理規約が設けられている物件が少なくありません。洗濯は浴室乾燥機やドラム式洗濯機が前提となる生活スタイルになります。

また、気圧の変化にも注意が必要です。エレベーターでの急激な昇降で耳がツーンとなる現象や、気象病(天気痛)持ちの方は気圧の変化を受けやすい場合があります。

管理費・修繕積立金の高さと将来的なコスト増

一般的なマンションに比べ、高層マンションはランニングコストが高くなりがちです。

  • 管理費
    • コンシェルジュや共用施設、24時間警備などの人件費・維持費がかかります。
  • 修繕積立金
    • 超高層の場合、足場を組んでの外壁塗装ができないため、ゴンドラなど特殊な工法が必要になります。そのため、大規模修繕工事の費用が割高になり、将来的に修繕積立金が大幅に値上げされるリスクを孕んでいます。

高層マンション選びで失敗しないためのチェックポイント

メリットとデメリットを比較した上で、「それでも高層マンションに住みたい」という方へ。物件選びで失敗しないために、内覧時や資料確認時にチェックすべきポイントを伝授します。

エレベーターの適正基数(50〜80戸に1基)と機能

エレベーターのストレスを減らす目安は、「50〜80戸に対して1基」です。

例えば、総戸数200戸なら3〜4基は欲しいところです。

さらに重要なのが「機能」と「バンク分け」です。

  • 速度
    • タワマン仕様の高速エレベーターか?
  • バンク分け
    • 「低層階用」「高層階用」に行き先が分かれているか?
      これらが採用されていると、待ち時間は大幅に短縮されます。

構造(耐震・制震・免震)の違いと災害対策

地震対策として、どの構造が採用されているかを確認しましょう。

  1. 耐震構造
    • 建物自体を頑丈にして耐える(揺れはダイレクトに伝わる)。一般的なマンションに多い。
  2. 制震構造
    • ダンパーなどで揺れを吸収する(上層階の揺れを抑える)。
  3. 免震構造
    • 地面と建物を切り離し、揺れを伝えない(揺れにくいがコストが高い)。

また、災害対策として「非常用発電機」のスペックも重要です。「エレベーターは動くか?」「給水ポンプは動くか(断水しないか)?」まで確認できれば安心です。

※非常用エレベーターのみ稼働するケースが多いです

携帯電話の電波状況とインターネット環境

意外と見落としがちなのが、電波干渉による通信速度の低下問題です。

高層階は、遮るものがないため、遠くの複数の基地局からの電波を拾ってしまい、スマホが混乱して通信が不安定になることがあります。

内覧時には、必ずご自身のスマホでアンテナの本数だけでなく、「実際にWebサイトを開く速度」「通話品質」を確認してください。窓際と部屋の中央で状況が変わることもあります。

各階ゴミ置き場の有無と宅配ボックスの容量

生活の質(QOL)を大きく左右するのがゴミ出しです。

タワーマンションなどで「各階ゴミ置き場(ゴミステーション)」がある場合、わざわざ1階まで降りる必要がなく、24時間好きな時にゴミを出せます。これは非常に大きなメリットです。

また、大規模マンションでは宅配ボックスが常に満杯で使えないというトラブルも多発しています。戸数に対して十分な数(目安は総戸数の15〜20%以上)が確保されているかチェックしましょう。

まとめ

「高層マンション」と一口に言っても、15階建て程度の実用的なマンションから、40階を超える豪華なタワーマンションまで、その性格は様々です。

  • 定義
    • 法律上の超高層は高さ60m(約20階)以上。
  • メリット
    • 眺望、プライバシー、資産価値。
  • デメリット
    • 揺れ、エレベーター待ち、コスト。

重要なのは、「タワマン=最良」というイメージだけで選ばないことです。

「眺望は欲しいけれど、朝のエレベーター待ちは嫌だ」という方なら、あえて20階建ての高層マンションの5〜10階あたりを選ぶのが正解かもしれません。

あなたのライフスタイル、家族構成、そして予算のバランスを見極め、後悔のない「高さ」を選んでください。

あなたにぴったりの高層マンション・タワーマンションを探してみませんか?

不動産インサイトナビでは、こだわりの条件で厳選された売買物件情報をお届けします。まずはお気軽に、お問合せ下さい!

シェアはこちら
  • URLをコピーしました!
目次