家を売るならどこがいい?信頼できる不動産会社の選び方5選

「家を売るなら、どの不動産会社に頼むか」は、売却価格やスピードを左右する重要な選択です。しかし「どこがいいか」の判断基準は難しく、不安な方も多いでしょう。

この記事では、本当に信頼できる不動産会社の見極め方5選を徹底解説します。

なぜ査定価格だけで選んではいけないのか、担当者のどこをチェックすべきかが具体的にわかるため、納得のいく売却を実現するために役立ちます。

目次

不動産会社選び3つの前提知識

「家を売るならどこがいい?」と悩む前に、知っておくべき基本的な知識が3つあります。

それは、「①売却方法の種類」「②不動産会社の種類」「③契約の種類」です。

ご自身の状況(「早く現金化したい」のか「少し時間がかかっても高く売りたい」のか)によって、選ぶべき選択肢は変わります。まずはこの3つの違いを理解し、判断の土台を固めましょう。

① 売却方法は「仲介」と「買取」の2種類

家を売る方法には、大きく分けて「仲介(ちゅうかい)」と「買取(かいとり)」の2種類があります。

仲介とは?

「仲介」とは、不動産会社が売主(あなた)と買主(家を買いたい人)の間に入り、売買契約の成立をサポートする方法です。不動産会社は、広告活動や内覧対応、交渉などを行い、成約時に「仲介手数料」を受け取ります。

  • メリット
    • 市場価格(相場)で売却できるため、「買取」よりも高く売れる可能性が高い。
  • デメリット
    • 買主が見つかるまでに時間がかかる(一般的に3ヶ月〜6ヶ月)。売れる時期が確定しない。

買取とは?

「買取」とは、不動産会社が直接、あなたの家を買主として買い取る方法です。不動産会社は買い取った物件をリフォームするなどして、再販売します。

  • メリット
    • 不動産会社が直接買うため、売却活動が不要。最短数日〜数週間で現金化できる。
  • デメリット
    • 価格は仲介で売却する場合の市場価格よりも低くなる傾向があります。(具体的な割合は物件や会社によって異なります)

「どこがいい?」と探すなら、基本は「仲介」

この記事のテーマである「家を売るならどこがいい?」と悩んでいる方は、多くの場合「できるだけ高く売りたい」と考えているはずです。

そのため、この記事では「仲介」を依頼する不動産会社の選び方を中心に解説します。

「相続ですぐに現金が必要」「近所に知られずに売りたい」といった特別な事情がない限り、まずは仲介での売却を目指すのが一般的です。

② 不動産会社は「大手」と「地域密着型(中小)」に大別される

不動産会社は、その規模や特徴によって「大手」と「地域密着型(中小)」に分けられます。それぞれに強みと弱みがあるため、どちらがご自身の物件に合っているか考えてみましょう。

種類メリットデメリット
大手不動産会社・全国的な知名度、ブランド力による安心感 ・豊富な広告費と全国ネットワークによる販売力 ・マニュアル化された安定したサービス品質・担当者の販売活動の透明性を確保できない事例も一部報告されています
地域密着型(中小)・そのエリアのニッチな情報(学区、相場)に精通 ・地元の買主ネットワークを持っている ・柔軟で小回りの利く対応が期待できる・広告力や販売網が大手より限定的 ・会社の規模が小さく、担当者の能力に左右されやすい ・得意エリア以外(遠方)の売却は苦手

「都市部の人気エリアのマンション」なら大手の販売網が有利に働くことが多く、「郊外の戸建て」や「特殊な土地」なら地元の事情に精通した地域密着型が強い、といった傾向があります。

③ 結ぶ契約は3種類!「媒介契約」の違いを理解しよう

不動産会社に「仲介」を依頼する際、「媒介契約(ばいかいけいやく)」を結びます。これには3つの種類があり、それぞれルールが異なります。

  1. 一般媒介契約
    • 特徴: 複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる。
    • メリット: 広く買主を探せる。不動産会社同士が競争するため、熱心な活動が期待できる。
    • デメリット: 不動産会社側にレインズ(※)への登録義務や売主への業務報告義務がない。
    • おすすめな人: 人気物件で、早く売れる自信がある人。
  2. 専任媒介契約
    • 特徴: 仲介を依頼できるのは1社のみ。ただし、自分で買主を見つけること(親族間売買など)は可能。
    • メリット: 7営業日以内のレインズ登録義務、2週間に1回以上の業務報告義務があり、活動状況がわかりやすい。
    • デメリット: 1社の販売力に依存する。
  3. 専属専任媒介契約
    • 特徴: 仲介を依頼できるのは1社のみ。自分で買主を見つけることも禁止される。
    • メリット: 5営業日以内のレインズ登録義務、1週間に1回以上の業務報告義務があり、手厚い対応が期待できる。
    • デメリット: 1社に完全に任せるため、会社選びの失敗が許されない。

(※)レインズ:不動産会社だけが閲覧できる物件情報システム。ここに登録することで、全国の不動産会社が買主を探せるようになります。

「家を売るならどこがいい?」と悩んでいる初期段階では、複数の会社と接点を持てる「一般媒介契約」を選ぶか、後述する一括査定で信頼できる1社を見極めて「専任媒介契約」を結ぶのがおすすめです。

信頼できる不動産会社の選び方5選

前提知識を踏まえたうえで、いよいよ本題である「信頼できる不動産会社の選び方」を5つの具体的なチェックポイントに分けて解説します。

高額な査定額だけにつられるのではなく、以下の5つの視点で総合的に判断することが、売却成功の鍵です。

①売却実績(エリア・物件種別)は豊富か

重要なのは、「あなたの家」と同じような物件を「あなたのエリア」で売った経験が豊富かどうかです。

不動産売却には専門分野があります。

例えば、「東京都心のタワーマンション」を得意とする会社が、「郊外の古い戸建て」や「地方の土地」の売却も得意とは限りません。

そのエリアの相場観、顧客層、アピールすべきポイント(例:「〇〇小学校区は人気」など)を熟知している会社ほど、適正な価格設定と効果的な販売戦略を立てることができます。

【チェック方法】

  • 査定を依頼する際、担当者に「このエリア(〇〇市など)で、うちと似たような物件(マンション/戸建て、広さなど)の売却実績は直近1年で何件ありますか?」と具体的に質問しましょう。
  • その会社のウェブサイトで、現在取り扱っている物件や、過去の成約事例を確認するのも有効です。

②査定価格の「根拠」は明確で納得できるか

査定を依頼すると、各社が「あなたの家は〇〇万円で売れるでしょう」という査定価格を提示してきます。この時、提示された金額の「高さ」だけで会社を選んではいけません。

査定額を高く提示して媒介契約を結ぼうとするケースもありますが、売却に時間がかかったり、最終的に価格を下げざるを得なくなったりする可能性があるため、査定根拠の確認が重要です。

重要なのは、その金額に至った「根拠」です。

【チェック方法】

査定報告書(査定書)を受け取ったら、以下の点を質問してください。

  • 「なぜ、この金額になったのですか?」
  • 「周辺の、似たような物件の『成約事例(実際に売れた価格)』はいくらですか?」
    (※「売り出し中」の価格ではなく、「成約」価格が重要です)
  • 「この物件のプラス評価(例:南向き、駅近)とマイナス評価(例:築年数、設備)をどう反映しましたか?」

これらの質問に対し、データ(成約事例)に基づき、論理的かつ具体的に説明できる会社を選びましょう。

③担当者の「質」と「相性」は良いか

不動産売却は、「会社」に頼むと同時に、一人の「担当者」に任せる行為です。会社のブランド力が高くても、担当者のスキルや熱意が低ければ、売却はうまくいきません。

【チェック項目】

以下の点で、担当者の「質」とあなたとの「相性」を見極めましょう。

  • レスポンスの速さ
    • 質問やメールへの返信は早いか。対応は丁寧か。
  • 専門知識
    • 「宅地建物取引士」の資格を持っているか。税金(譲渡所得税など)や法律に関する質問にも、ある程度答えられるか。
  • 誠実さ
    • メリットだけでなく、デメリット(例:「このエリアは今、供給過多です」など)も正直に話してくれるか。
  • 売却戦略の提案
    • 「この価格で売り出し、〇ヶ月売れなければ〇〇円に下げましょう」といった具体的な販売戦略を提案してくれるか。
  • 「売れない場合」の対策
    • 「もし3ヶ月売れなかったら、どうしますか?」という質問に対し、リフォーム提案、価格見直し、買取への切り替えなど、次の手を考えているか。

何でも話しやすく、信頼できると感じる担当者を見つけることが非常に重要です。

④販売(広告)活動の計画は具体的か

契約後、不動産会社がどのような販売活動をしてくれるのかは、売却のスピードと価格に直結します。

「頑張ります」といった曖昧な返事ではなく、具体的な計画を聞き出しましょう。

【チェック方法】

  • レインズへの登録時期
    • 専任媒介契約の場合、レインズへの登録時期は法令で定められています。この義務を怠る場合、売却機会の損失につながる可能性があるため、登録時期を必ず確認しましょう。
  • 広告メディア
    • 「SUUMO」や「HOME’S」といった大手ポータルサイトに掲載するか。有料プラン(目立つ枠)を使ってくれるか。
  • その他の広告手法
    • 新聞折り込みチラシ、近隣へのポスティング、オープンハウス(内覧会)の実施頻度など、物件の特性に合った広告を提案してくれるか。

⑤会社の信頼性(免許・行政処分歴)は問題ないか

最後に、基本的なことですが、その会社が法律を守って運営されているかを確認しましょう。

【チェック方法】

  • 免許番号の確認
    • 不動産会社のウェブサイトや資料には、必ず「宅地建物取引業免許」の番号(例:国土交通大臣(○)第XXXXX号、または 〇〇県知事(○)第XXXXX号)が記載されています。
      この( )内の数字は免許の更新回数(5年に1回)を示しており、数字が大きいほど業歴が長い(例:(3)なら10〜15年)という目安になります。
  • 行政処分歴の確認
    • 国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」を使えば、過去に業務停止命令などの行政処分を受けたことがないか、会社名で検索できます。ここに名前がある会社は避けた方が賢明です。

まとめ:家を売るなら、まずは「信頼できる会社探し」から

大切な「家を売る」という一大イベント。その成功は、どの不動産会社をパートナーに選ぶかにかかっています。

「どこがいいか」と迷った時は、査定額の高さだけで判断せず、この記事でご紹介した5つの選び方をぜひ実践してください。

売却成功の鍵は、客観的な「比較検討」と、主観的な「担当者との相性」の両方を見極めることです。

そのための第一歩として、まずは「不動産一括査定サイト」を活用し、最低でも3社以上の査定結果と担当者の対応を比べてみましょう。そして、その結果からあなたの家を安心して任せられる、最高のパートナー探しをスタートさせてください。

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